【(症例)痛み・しびれ 】
生活に支障をきたすほどの痛みに襲われる片頭痛は、予防が重要になりますが、予防に薬を使用すると、薬を飲むタイミングの問題や、薬の量や回数の制限があるので、頭痛の“予兆”に気付いたら、体調を整えて、頭痛を起きにくくする方法が勧められています。
これは、片頭痛が起きる数時間から2日前ぐらいに、痛みを引き起こす“神経回路が活性化”してくるので、この事を利用して、頭痛の“予兆”に気付いたら、首のつけ根から肩や背中にかけての緊張を緩和すると、神経回路の活性化を和らげる事ができるからです。
『頭痛体操』は、この効果を目的に紹介されていますが、最近の研究で、片頭痛の“予兆”が現れると、首の後ろに、片頭痛を引き起こす神経回路上に“反応点”が出現してくる事が分かってきたので、“予兆”が現れたら“反応点”を確認して、活性化している神経回路を和らげると、片頭痛の予防や緩和と体調の改善に効果があります。
【 脳の血管の急激な拡張から 】
~ 片頭痛のキッカケ ~
片頭痛は、何かのキッカケで脳の血管が急激に拡張し、それによって、動脈が脈打つごとに、血管周りに張り巡らされた中枢神経が圧迫されたり引っ張られたりするので、頭の中で、拍動性のガンガン・ズキンズキンする我慢できない痛みになります。
脳の血管が急に拡張するタイミングとして、よく言われるのが、緊張した仕事が続いた後の週末や休日などの、ストレスから解放されて心身がリラックスした時です。
しかし、心身がリラックスした時以外にも、人込みや騒音、気温・気圧の変化、姿勢の悪さ、寝過ぎや寝不足などが、片頭痛が起きるキッカケになったり、また女性の場合は、生理や更年期でホルモンバランスが崩れた時も、片頭痛が起きたりします。
~ 脳の神経が敏感になって ~
そして、脳の血管が急激に拡張すると、頭の血管が脈打つたびに、血管を取り巻いている脳の中枢神経が圧迫されたり、刺激を受けたりするので、頭の中で、拍動性の「ズキンズキン」、「ガンガン」する強い痛みが、4~72時間、繰り返すようになります。
しかも、強い痛みで、極度に脳の神経が敏感になるので、頭の向きを少し変えたり、身体を動かしたりしただけでも、更に頭の痛みが増すようになります。
また、頭痛だけでなく、体調の悪化で『強い生理的な不快さ』も生じ、吐き気、嘔吐、顔面蒼白、腹痛などが起き、それらに耐えられなくなって、ジッと寝込んでしまう事もあります。
~ 片頭痛を繰り返すと ~
また、片頭痛を引き起こす神経回路が敏感になると、感覚を調整する機能が働かなくなってくるので、通常ならば気にならない光や、音、臭いに、『強い生理的な不快さ』を感じる状態になります。
この結果、「顔に風が当たると、辛い痛みを感じる」、「肌に接触するメガネやイヤリングが不快感を起こす」、「髪を結んでいるのが辛く感じる」、「曇り空になると、それに連れて体調が悪くなる」、「強い光を感じると頭痛がひどくなる」、などが起きます。
これらによって、敏感化した片頭痛を引き起こす神経回路が刺激され続けるので、片頭痛を長引かせます。
【 片頭痛の予防 】
~ 予防薬 ~
片頭痛が起きると、我慢できない『強い痛み』に襲われて、仕事や生活に支障をきたしてしまうので、繰り返す場合は、予防薬が利用されています。
しかし予防薬は、痛みに敏感になっている脳の神経に作用して、痛みの感覚を軽くしたり、片頭痛が起きにくくさせたりする薬なので、片頭痛の症状が有っても無くても、少なくても3~6カ月間は、毎日決まった時間に、予防薬を飲み続ける事が必要です。
また、片頭痛の予防薬は、副作用として眠気が起きるので、女性や小柄な人、あるいは、1種類では効かない為に2種類以上の予防薬を服用する人は、服用するのに注意が必要になります。
~ 予防薬に頼らない為に ~
この為、なるべく薬に頼らないで、片頭痛を予防するには、日頃から不快な疲労やストレスを溜めないように、体調を保つ自律神経に、大きな負荷がかからないようにする事が重要です。
疲労やストレスが多くなって自律神経に大きな負荷がかかると、自律神経の働きが乱れて血管のコントロールが失われて、生活のチョットした無理や疲れから脳の血管が急激に拡張し、片頭痛が起き易くなるからです。
この為、自律神経に大きな負荷がかからないように、できるだけ決まった時に寝起きして、食事をきちんと取るなどの規則正しい生活をする事や、休息をとって心身をリラックスさせる、などが重要になります。
~ 気圧・気温・湿度 ~
また、片頭痛の不安を感じている場合は、春や秋など季節の変わり目や、梅雨や台風が多くなる時期に、意識的に気分転換を行ったり、計画的に頭を休めたりして、心身の安定を保つ事が必要です。
天気の変化の中で、「気圧」・「気温」・「湿度」は、心身の不快感を増したり、身体に負荷をかけたりして、自律神経を乱し易くなるからです。
この為、片頭痛に悩まされている人は、気圧が変化したり、湿度が高くなったりすると、天気の変化が過剰に脳に伝わって自律神経を乱し、脳の血管を急激に拡張させて、片頭痛が起き易くなるので、このような天候の時には、上手に気持ちをコントロールして、体調を維持する事が必要です。
【 片頭痛の“予兆”と、独特な肩こり感 】
~ 片頭痛のサイン ~
片頭痛が起きる数時間から2日前ぐらいになると、頭痛を引き起こす神経回路が活性化してくるので、「何となく頭痛が起こりそう」といった“予兆”を、9割近くの人が感じています。
この為、この“予兆”が、片頭痛を予防する重要なサインになります。
“予兆”に気付いたら、首のつけ根から肩や背中にかけての緊張を和らげると、神経回路の活性化を鎮める作用があるので、頭痛を起きにくくする事ができるからです。
~ 片頭痛の“予兆”例 ~
片頭痛の“予兆”として、次のような症状があります。
・めまいや耳鳴り、立ちくらみが起きる。
・あくびが多くなる。
・胸が締め付けられる。
・胸がザワザワする感じがする。
・息苦しく感じる。
・冷えを感じる。
・胃の調子が悪くなる。
・便秘や下痢を繰り返す。
・肩こりや、腰痛が強まる。
・身体がダルクなる。
・顔に汗をかく。
・朝、起きた時から疲労感がする。
・気圧が低くなると体調が悪化する。
・周りがやけにまぶしく感じる。
~ 独特な肩こり感 ~
中でも、「急に肩こりが強まる」、「首から後頭部にかけて、肩がグーっと上がり、凝りがひどくなってくるような感じ」、「頭の後ろに、凝りが拡がってくる」などの独特な『肩こり感』が現れたら、要注意です。
これは、片頭痛を起こす『三叉神経』の影響を受ける神経が、首や肩の筋肉に伸びているので、片頭痛が起きる前に、首の後ろから肩あたりの神経が刺激されて、独特な『肩こり感』が起きてくるからです。
片頭痛は肩や首の凝りと密接な関連があるので、片頭痛患者の75%の人が、片頭痛を起こす前に、急に肩や首の周りの筋肉が緊張気味になって、通常の肩凝りと違った、独特な『肩こり感』を経験しています。
【 当院の、片頭痛の予防治療 】
当院は、片頭痛の予防や緩和に、片頭痛の“予兆”が現れた時を利用して、首のつけ根から肩や背中にかけての緊張をツボ治療とマッサージ治療で和らげ、首や頭部の神経を鎮める治療を行っています。
頭痛を和らげるツボとして、昔から、首や肩にある「風池(ふうち)」、「天柱(てんちゅう)」、「肩井(けんせい)」などが利用されてきましたが、最近の研究で、片頭痛を起こす『三叉神経』から影響をうける神経が首と肩に伸びている事が分かり、更に、片頭痛の“反応点”が、首の後ろの髪の生え際に現れる事も分かったからです。
しかも、首の後ろの髪の生え際に現れる“反応点”は、東洋医学のツボ(経穴)の位置とほぼ同じなので、ツボを利用して“反応点”の周りの筋肉のコワバリを和らげると、片頭痛を引き起こす神経の興奮を鎮める作用があるので、片頭痛の発生を緩和させたり、抑えたりする効果があります。
~ 頭痛体操 ~
『頭痛体操』も、片頭痛の“予兆”が現れた時を利用して、圧痛点の周りの筋肉のコワバリを和らげると、頭痛を起きにくくさせます。
しかし『頭痛体操』で、この効果を発揮するには、頭と首を支えるインナーマッスル(身体の深い位置にある筋肉)を十分にストレッチして、片頭痛の“反応点”近くの筋肉と血行を回復させ、それによって、首や肩の片頭痛を引き起こす神経の興奮を鎮め、自律神経の働きを取り戻す事が必要になります。
当院では、“反応点”の箇所がツボ(経穴)の位置とほぼ一致しているので、活性化しているツボ(“反応点”)を確認して、①血行やリンパの流れの改善、②筋肉の弾力性や柔軟性を高める、③神経の興奮の抑制などを行い、片頭痛を引き起こす神経の興奮を鎮め、自律神経の働きを取り戻す事をしています。
~ 体調回復のマッサージ治療 ~
また片頭痛の予防の為に、当院では、背中のコワバリ解消や、背中の悪化した血行の回復も行っています。
背中の筋肉の柔軟性や弾力性が回復して、血行が改善されると、敏感になっていた神経が和らいで、頭痛の発生を抑えたり、軽減化したりする効果があるからです。
当院の片頭痛の予防治療は、片頭痛“予兆”時の体調や体質に合わせて、身体の調子(治る力)を上げていく治療なので、頭痛予防として受け入れ易く、更に、体調が回復してくる効果もあります。
~ 片頭痛の神経が活性化する前に ~
片頭痛は、頭痛を引き起こす神経回路が活性化する前に、身体の不調や痛みを解消させて、体調と、敏感になっている神経を回復させる事が大切です。
当院は、片頭痛の“予兆”時に現れる“反応点(ツボ)”を利用して、ツボ治療を加えたマッサージ治療で、首や肩の疲労やストレスを解消させて、体調を整え、心身がリラックスできるように治療を行っています。
マッサージの施術時間は、15分からです。 関連する痛み・しびれなどの症状の、ご相談は、[メール]、または[電話]で、お受けしています。