デスクワークで座りっぱなしが続いたり、立ち仕事やランニングなどで股関節に負荷が強まったりすると、お尻の筋肉の疲労や緊張で、お尻の奥の坐骨神経が圧迫されて、お尻から太ももの後面にジンジンとしびれるような痛みが起きる事があります。
しかし、ストレッチや痛み止めの湿布で、お尻の筋肉の疲労や緊張を解消しようとしても、お尻の筋肉の疲労箇所や緊張箇所が分かりづらく、しかも、坐骨神経を圧迫している筋肉は、お尻の奥の筋肉なので、効果は期待できません。
このような疲労や緊張などの慢性化による筋肉由来の痛み解消には、ツボが神経や血管が集まっている箇所なので、ツボ反応を利用したマッサージ治療で筋肉の疲労や緊張を和らげると、刺激されて敏感になっている坐骨神経の回復に効果があります。
【 梨状筋症候群 】
普段、生活をしている中で、肩や背中・腰などに疲れを感じる事はあっても、お尻に、「疲れ」や「ダルサ」などを感じたり、お尻の筋肉の「コワバリ」や「凝り」に悩まされたりする事は、ほとんどありません。
これは、いろいろな動作や姿勢をする上半身を、安定的に絶えず支える為に、お尻の筋肉が、何層も分厚い筋肉が重なっているので、多少の疲労や緊張があっても、シッカリと、我慢強く支えているからです。
この為、身体に疲れを感じる事があっても、お尻に違和感や疲労感が起きる事がほとんど無いので、お尻の筋肉が疲労したり緊張したりしても、自覚されず、気付かないままになります。
しかし、お尻の筋肉の疲労や緊張が増して柔軟性が無くなって、コワバッテくると、お尻の奥を通っている坐骨神経を圧迫して、お尻から太ももの後ろにかけて、シビレを伴った痛みが起きる事があります。
例えば、長時間のデスクワークや長距離の運転で座り続けていたり、ゴルフや野球などで身体を捻る動作を繰り返したり、久しぶりに長い距離を走ったり歩いたりした場合です。
この結果、お尻の筋肉の柔軟性が無くなり、コワバッテ、お尻の奥の坐骨神経を圧迫すると、座っていると、お尻に「ジーンとしたしびれ」を感じたり、あるいは、立ち上がろうとして腰に力を入れた時や、階段で片足に体重をかけた時に、突然、お尻から「ピリッとした痛み」が起きたりします。
それでも最初の頃は、お尻の下の方に、軽い痛みや疼(うず)きを感じるぐらい、しかも、しばらくすると痛みが消えたり、湿布薬を貼ると痛みが軽くなったりするので、「たいした事、無いだろう…」と思います。
ところが、毎日の座り仕事や立ち仕事で、身体の疲労が増して、身体を支えるお尻の負担が大きくなってくると、坐骨神経への圧迫が強まり、お尻から痛みやシビレが、何度も起きたり、強まったりします。
このようなお尻の痛みを『坐骨神経痛』と言いますが、病院では、お尻の奥の『梨状筋(りじょうきん)』と呼ばれる筋肉がコワバッテ、内側の坐骨神経を圧迫し、しびれや痛みを起こすので、診断名を『梨状筋症候群』と言い、『坐骨神経痛』中で、『梨状筋症候群』が9割を占めています。
【 坐骨神経の、痛みの特徴 】
『梨状筋症候群』の痛みは、いろいろに感じられ、例えば、「お尻の奥の方からズキズキする」、「ビリビリしてくる」、「ジンジンする」とか、あるいは、突き刺されるような痛みが起きて「ビビーッとする」など、様々です。
他にも、「お尻の張りが強くなって、突っ張った感じがする」、「熱く、ヒリヒリするような痛み」と、感じる人もいます。
更に症状が悪化してくると、「痛みやしびれが、ふくらはぎや足先まで広がってくる」とか、「立つ瞬間や歩行中も痛みを感じて、動けなくなる」、といった状態になります。
そして『梨状筋症候群』の痛みの特徴として、お尻から太ももの後面にジンジンとしびれるような痛みが起きても、腰には異常が無いので、「腰には痛みが起きない」事です。
お尻の筋肉の過緊張よって、坐骨神経への圧迫が原因になっているからです。
また、お尻の筋肉は、絶えず体重がかかる事と、“太く”“大きい”筋肉が集まっているので、一度『梨状筋症候群』になると、お尻の筋肉のコワバリ回復に時間がかかるので、何度もシビレと痛みを繰り返すようになります。
また、『梨状筋症候群』は、整形外科に行っても診断がつきづらくなります。
『梨状筋症候群』は、筋肉のコワバリが原因になっているので、レントゲンやMRIなどの画像検査では、筋肉の緊張状態と、それによる坐骨神経の圧迫状態が判断しづらいからです。
この為、画像検査よりも、毎日の疲労やストレスによる症状への『問診』、お尻の筋肉のハリの状態を調べる『触診』、股関節を動かして『可動範囲の検査』などが、有力な判断材料になります。
【 梨状筋症候群になりやすい人 】
『梨状筋症候群』になりやすい人は、次の通りです。
・運動不足の人
よくあるのが、久しぶりに長距離を走ったり、気分転換に自転車で遠出したり、休みの日に山道を歩いたりしたケースです。
また、普段では行わない中腰姿勢になって動作をしたり、荷物の挙げ下ろしなどを繰り返していたりすると、やはり、お尻の筋肉が過緊張になり、後になって、骨盤の下からシビレと痛みが起きたりします。
しかも、運動不足によってお尻の筋肉の働きが弱る為に、症状の回復が遅くなって、痛みや違和感が長引き易くなります。
・長時間、座っている、あるいは、立っている人
長時間の座位や立位をしていると、お尻の筋肉の負担が増す為です。
中でも、運動不足や中高年になって腰や背中の筋力が低下したり、姿勢が悪化していたりすると、余計に、お尻の筋肉の負担が増すので、痛みが起き易くなります。
また、座り仕事の中で、『仙骨座り』と言われる、お尻の仙骨を座面に当てて、上半身を、お尻の筋肉で支える姿勢を続けていると、気付かないうちに坐骨神経を圧迫するので、痛みを起こし易くなります。
・過去に股関節や腰回りに怪我をしている人
お尻の打撲の後に腰痛が続く場合や、ギックリ腰の不安がある場合、骨盤の歪みがある場合には、自然と、お尻の筋肉が緊張気味になるので、痛みが起き易くなるからです。
また、肥満や妊娠中の妊婦さんの場合も、股関節や腰回りに絶えず体重がかかるので、やはり、痛みが起き易くなります。
しかも、緊張が続いたり、ストレスや心配事で悩んでいたり、あるいは、睡眠不足などで精神的な疲労が重なっていると、痛みが増します。
これらがあると、血管が収縮して身体の血行が悪化し、梨状筋がコワバリ易くなる上に、精神的な緊張から坐骨神経が敏感な状態になるからです。
この為、PCを使う事で緊張が続いたり、仕事や人間関係などによる心理的な圧迫感が強まったり、気持ちの切り替えができないでいたり、生活のリズムが乱れて睡眠不足になっていたりすると、お尻の下あたりにピリピリとした痛みを感じる事が多くなります。
【 当院の、お尻の筋肉の回復治療 】
『梨状筋症候群』の改善には、コワバッタお尻の筋肉の柔軟性を回復させる事が必要ですが、お尻の筋肉は分厚く、何重も重なっている上に、また、坐骨神経痛を引き起こしている梨状筋は、お尻の奥の筋肉なので、ストレッチで伸ばして、柔軟性を回復させるのは困難です。
このような痛みに、当院は、東洋医療をベースにしたマッサージ治療で、腰やお尻の筋肉の柔軟性の回復と、血行の悪化を解消して、痛みの改善を行っています。
東洋医療をベースにしたマッサージ治療が、疲労や緊張などの慢性化による筋肉由来の痛みの解消に、昔から利用され、現在も、筋肉由来の痛みの解消効果から、リハビリ治療や痛みの緩和治療などに利用されているからです。
更に『梨状筋症候群』の治療に、当院は、身体の不調時に現れる“ツボ”反応を利用して、硬結(シコリ)を確認し、そこに持続圧やツボ刺激を加えて、治療を行っています。
これは、ツボが、神経や血管が集まっている箇所にある為に、身体に不調が起きると、関係する特定のツボに痛みや硬さとなって現れ、身体に異常が起きている事を知らせてくれるので、『梨状筋症候群』の痛みやしびれを発している硬結(シコリ)を見つけ易くしてくれるからです。
しかも、反応が現れたツボに適切な刺激を与えると、その刺激に順応して、痛みや違和感が減少したり、筋肉内の血流が改善したりする効果があるので、確認した『梨状筋症候群』のツボに刺激を加えていくと、血行が回復し、蓄積した疲労物質が排出されて、敏感になっていた坐骨神経が回復していき、お尻からの痛みや違和感が解消されるようになります。
また、『梨状筋症候群』が起きていると、腰や脚の筋肉も、疲労や緊張した状態になっているので、股関節を支える筋肉(梨状筋)に、大きな負荷をかける状態になります。
この為、当院では、腰や脚の疲労と緊張の解消を行い、股関節の可動域の回復も行っています。
これによって、下半身のコワバリが解消し、血行が改善してくると、坐骨神経への圧迫が無くなってくるので、治療途中に、患者が、お尻の痛みや不快感が解消されてくるのが分かります。
『梨状筋症候群』が起きても、お尻の疲労や緊張が実感しにくいので、ストレッチをしても治療ポイントが把握しづらく、神経から痛みなので、痛み止めの薬が効きません。
当院は、マッサージ治療にツボ治療を加えて、筋肉の柔軟性の回復や血行の改善を行っているので、『梨状筋症候群』よる坐骨神経による痛みにも、改善効果があります。
マッサージの施術時間は、15分からです。 関連する痛み・しびれなどの症状の、ご相談は、[メール]、または[電話]で、お受けしています。