【(症例)身体の不調や、不快感 】

高齢になると、筋肉量の減少で発熱量が落ち、血管の温められた血液を送る働きも弱ってくるので、寒さに敏感になるだけでなく、身体の芯から冷えて、「身体の内側に、冷えが入り込んでいる」と感じるようになります。

しかも、身体が冷えるので、「下痢と便秘を繰り返す」、「疲れやダルサがとれない」、「布団に入っても眠れない」、「風邪が回復しない」などに悩まされ、シワ、タルミ、くすみ、吹き出物などの皮膚トラブルにも、憂鬱な気分にさせられます。

このような高齢者の冷えを改善するには、身体を温めるだけでなく、身体の回復力を取り戻す事が重要になってくるので、身体の不調箇所をチェックして、筋肉のコワバリ箇所の解消や、血行の悪化箇所を改善し、冷えで敏感になっている神経を鎮め、痛みや疲れ易さを緩和させて、体調を整える事が大切です。

【 高齢者の冷えの3大原因 】

冷えはさまざまな原因が絡んでいますが、高齢者にとって大きな原因になっているのが、身体の筋肉量の減少により、“身体の熱を十分に作れなくなっている”事です。
筋肉は、体温の約6割を発熱しているので、人体の最大の『体熱の産生器官』になっていますが、中高年あたりから筋肉量が減少し、50代や60代になると筋肉量がガクンと落ちる為に、身体の発熱量が、かなり少なくなります。
しかも、中高年あたりから、身体の運動機能の低下や、仕事や家庭の責任や役割の増大で、運動する機会が減ってくるので、ますます筋肉からの発熱する量が少なくなっていきます。

 

また、高齢者に冷えが生じる、二つ目の大きな原因になっているのが、“温められた血液を、うまく運べなくなる”事です。
心臓からの血液は、身体の中で一番高い温度(37℃)に保たれていますが、加齢によって筋肉の弾力性や柔軟性が無くなってくると、血管を伸縮させて血液を送る“ポンプ機能”が低下してくるので、温かい血液を、身体の隅々に届けられなくなるからです。
この結果、温かい血液が身体の隅々に届けられなくなると、身体が冷えて、寒さに敏感になるだけでなく、身体の芯から冷えてくるので、「一年中、手足が冷たい」とか、夏でも身体の冷えに悩まされて「冷房の風が苦手」などが起きてきます。

 

更に、高齢者に冷えが生じる、三つ目の大きな原因になっているのが、血液循環の悪化によって、身体からの水分排出が低下してくるので、身体に余分な水分が溜まって、これによって身体を冷やしてしまう事です。
東洋医学では、これを『水滞』と言い、「本来であれば体外に排出されるべき水分が、何らかの原因によって、体内に留まった状態」と考え、この状態になると、余分な水分が身体に溜まっているので、「お腹を触ると冷たい」、「お腹がちゃぷちゃぷする」、「夕方になると脚がむくむ」、「ふくらはぎを親指で押すとへこむ」などが生じます。
これによって、体内に留まった余分な水分が身体を冷やして、身体が温まらなくなるので、「汗をかきやすい」、「軟便や下痢気味」、「頭や身体が重ダルイ」などが起き、更に、体内に溜まった余分な水分(水滞)が血管やリンパ管を圧迫し血行を悪化させたり、悪化した血行が血管やリンパ管を圧迫したりするので、冷えと血行悪化のスパイラルに陥ります。

【 冷えによる、身体への影響 】

特に高齢者に冷えが起きると、高齢になると身体の機能が低下しているので、様々な身体の不調が起きます
例えば、身体の冷えの影響で、「胃腸の働きが悪化して、下痢と便秘を繰り返す」、「腰痛に悩まされる」、「肩がこる」、「しもやけができ易い」、あるいは血行の悪化で、「脚がむくみ易い」、「靴下のゴム跡がクッキリと残る」、「脚にしびれを感じる」などが起きます。
また、血液循環の悪化で老廃物が排出しづらくなると、「身体の疲労感や重ダルサ」に悩まされたり、老廃物によって神経の働きが障害されると、「頭が重い」、「めまい」、「ふらつく」、「頭痛」などが起き易くなったりします。

 

また、朝起きた時や、動作をしようとした時に、膝や腰などに、痛みを感じる事が多くなります。
冷えで、身体の隅々に十分に血液が届けられなくなっている上に、寝ていたり、ジッとしていたりすると、血液を送るポンプの機能が低下した状態になるので、ますます血行が悪化するからです。
この結果、朝起きた時や動作をしようとした時に、関節を動かす筋肉や靭帯の酸素や栄養分が不足し、関節の安定性や持久力が失われて痛みが出たり、老廃物が神経を刺激して、ジンジンとした痺れ(しびれ)感が起きたりします。

 

更に、身体の冷えで、血圧が上がり易くなります。
身体に冷えを感じると、体温を逃がさない為に、自律神経の作用で血管が収縮するので、心臓が圧を高めて血液を押し出そうとするからです。
この為、高齢者が冷えに悩まされると、心臓が絶えず圧を高めて血液を押し出そうとするので『慢性的な高血圧』になったり、あるいは、寒さを感じたり、冷たい水などに触ったりすると、過剰に寒さや冷たさに敏感に反応して『急激な血圧の上昇』が起きたりします。

【 冷えで、毛細血管が干上がって 】

高齢になって身体が衰えていくと、毛細血管も徐々に老化が進むので、『ゴースト血管(写真参照)』の問題も生じます。
『ゴースト血管』と言うのは、加齢や血行障害などで、毛細血管の血液を運ぶ機能が低下し、その状態が続くと、次第に毛細血管が干上がったり、消失してしまったりする現象です。
毛細血管は全身の血管の99%を占め、身体のすみずみに酸素と栄養を送り届ける重要な働きをしているので、高齢者の血管のゴースト化によって、酸素や栄養分を運ぶ血液が行き渡らなくなると、見た目の問題や、身体に不調が起きる原因になります

 

例えば肌に、毛細血管のゴースト化が進むと、肌の血行が悪くなったり、肌のうるおいが消えたりするので、肌の色が悪くなって、肌の表面もカサカサになったり、シミやクスミもできたりして、実年齢以上に老けが目立ってきたり、枯れた印象になったりします。
また、身体の各器官に毛細血管のゴースト化が進むと、血行が極度に悪化し、酸素や栄養を充分に送り届けられなくなるので、肩こり、頭痛、目の疲れ、疲労感、ダルサ、もの忘れなどが、いつまでも続きます。
更に、膝や腰などの関節痛に悩まされ、治りにくくなります。

 

しかし、身体の冷えや筋肉量の減少などで、毛細血管の血流が悪くなって、ゴースト血管となる可能性がありますが、血管が残っていれば、血液の流れを促して流れるようにすると、復活させる事が可能です。
この為、見た目に、高齢者の老けが目立ってきたり、身体を触った時に、冷たく感じたり、硬かったり、むくんでいたりしたら、血管のゴースト化が、起きている可能性があるので、まずは、コワバッテいる筋肉の弾力性や柔軟性を回復させて、血行やリンパ液の流れを改善する事が大切です。
そして、筋肉の弾力性や柔軟性を保つようにして、血管をゆるめる、血流を上げる、血管をゆるめた時間の確保などで、血液やリンパ液の流れを良くする事が大切です。

【 当院の、高齢者の冷え治療 】

高齢者の筋肉がコワバッテ、関節部分が硬くなってくると、身体が動かしづらくなる上に、血行悪化の原因になるので、身体の冷えが生じたり、体調の不調を引き起こしたりします。
しかも、高齢者は身体の機能が弱っている事が多いので、不調を改善しないと、身体の回復力が追いつかなくなるので、体温がなかなか元に戻りにくくなり、慢性的な体調不調に悩まされるようになります。
この為、当院は、高齢者の冷え治療として、最初に、身体のコワバリや関節部分の不調を確認し、東洋医療をベースにしたマッサージ治療で、①血行やリンパ液の流れの改善、②筋肉の弾力性や柔軟性を高める、③敏感になっている神経の興奮を鎮める、などを行っています。

 

特に、当院では、身体にコワバリがある箇所や、血行が悪くなっている箇所を、触診やツボ反応で確認し、その後、ツボ刺激を併用したマッサージ治療で、その箇所の緊張を解消させ、血行の促進を行うようにしています。
ツボが、身体の不調時に、異常を知らせる箇所であり、症状を改善する箇所でもあるので、血流の改善や、衰えている毛細血管の回復に、ツボ刺激を併用したマッサージ治療が、効果的な治療になるからです。
これにより血行が促進されて、神経を刺激していた老廃物が排出されてくると、敏感になっている神経が回復してくるので、筋肉の緊張やコワバリが緩み、今まで感じていた不快感が減少するようになります。

 

また、ツボ刺激を併用したマッサージ治療で、筋肉の働きや血行が回復してくると、体調の回復効果になります
身体の回復力が追いつかない為に、神経が敏感になって疲れ易さや痛みとなって現れていたのが、筋肉の働きや血行が回復して、神経への刺激が緩和されると、「何となく身体の調子が悪い」という状態が解消されてくるからです。
更に、血液を送る筋肉のポンプ作用が活発化して、全身に血液が巡るようになると、身体の体温が内側から回復し、身体の新陳代謝も高まるので、冷えの解消になります。

 

身体が冷えると、暖房や衣服など、外側から身体を温める事に気をとられがちですが、高齢者の場合には、熱を作る筋肉の働きや、熱を運ぶ血行を改善させないと、ますます身体の冷えが進んで、体調を悪化させてしまいます。
当院は、高齢者の冷えの改善や体調の回復の為に、ツボ刺激を併用したマッサージ治療を利用して頂けるように、市川市の施術助成券を取り扱っています。
マッサージの施術時間は、15分からです。  関連する身体の不調や、不快感などの症状の、ご相談は、[メール]、または[電話]で、お受けしています。